

はな一代記
「はな一代記」という題名で10数年、制作を続けている。描くようになったのは、母が入院していた小さな病院へ、夕方になると毎日のように診察をうけにくるお婆さんに会ってからである。いつも、まわりの人の気をひくように、おもしろおかしく(むしろ迷惑がられながら)話す合間にふともらした言葉が気になり、ひとり暮らしのお婆さんのアパートを訪ねた。
昭和12年頃、中国大陸へ三味線を携え渡航したこと、そこでの暮らし、中国人や朝鮮人の女性と一緒に生活したこと、山へ逃げかくれたこと、日本兵のこと、敗戦、引き揚げ、そして戦後の暮らしなど。聞くほどに一人の女性が歩んできた時代を、お婆さんの姿を借りて描けないかと、名前を「はな」とし、私なりの表現で描き続けている。最近は、同じ時代を生きてきた母や、今までに出会った多くの人たちの人生も重ねあわせ、明治、大正、昭和、平成と激動の時代を生きてきた歴史の証人ともいえる人たちを、描きたいと思っている。
1974 独立展出品(以降毎年)
1993 中部独立13人展 結成に参加
1997 独立展賞候補